International Beer Cup 2014 審査講評

International Beer Cup 2014
審査委員長 村林 智

 1996年から毎年開催されてきた、クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)主催のInternational Beer Competitionが、今年からInternational Beer Cupと名前を変え、より規模、レベルを国際的に拡大し、まさに世界の5大ビール審査会の一つとして、この度2014年9月10日-11日に横浜大桟橋ホールで開催されました。

 審査に出品されたビールも、過去最大となる国内外の98ブルワリーから、総計327銘柄の出品があり、その中でも、4分の1に当たる80銘柄が、海外28ブルワリーからの出品となり国際色も大変豊かとなりました。

 105あるビアスタイルの中、入賞ビールだけでもボトル・缶部門でも67スタイル、ケグ部門でも43スタイルの出品がありました。日本では、多様なスタイルのビールづくりをしているのがわかる、これは国際的にも大変ユニークな特徴です。

 審査に当たるジャッジは、国内外より総計49名、うち海外18か国から27名、米国ブルワーズ協会会長のチャーリー・パパジアン氏、英国のインターナショナル・ブルーイング・アワード審査委員長のビル・テイラー氏を始め、国内外の著名な審査会で活躍されるジャッジ多数が参加しました。

 クラフトビールを楽しむ消費者が増えるにつれ、日本のみならず、世界的にクラフトビールは日々著しく進化しています。そうした背景からも、今回の審査会では今まで以上に国際的視点で受賞に値するのかを、すべての出品スタイルの審査に海外のジャッジを必ず参加する形で配置し、客観性を重視した厳しい審査を行いました。

 各ジャッジは、審査をサポートするスチューワード各位の進行のもと、単にスタイルに合うかどうかだけではなく、入賞問わず、すべての出品ビールに一つづつコメントをし、そのビールの魅力、将来の可能性を伝えるよう努力も行いました。本年からは世界標準に合わせ、審査も英語で行われ、コメントは英語表記となりましたが、上記背景を踏まえ、今後とも出品者各位のご理解を賜れればと思います。

 国籍を超えた激しい議論と、国際的な物差しに照らした結果として、一昔前であれば三賞に値するビールであっても、今回は受賞にいたらないものや、または金賞、銀賞も選出できないスタイルも存在したのも事実です。

 そのような過程を経て選出された入賞ビールは、まさに国際的な価値をもつと誇りを持っていただいてよいと考えますし、また未受賞であったとしても、ジャッジのコメントを参照いただき、今後に生かしていただければと思います。

 最後に、全ての出品者と開催にあたっての関係各位に絶大な努力に深く感謝すると共に、本結果が今後の日本における一層のクラフトビールの進化の一助となることを期待します。

- 補足 -
出品ビール、ブルワリー数:
327銘柄(内海外、80銘柄)、98ブルワリー(内海外28ブルワリー)

審査ビール出品国、地域:
アメリカ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、オランダ、チェコ、ノルウェイ、パナマ、フィジー、スペイン、韓国、台湾、中国、シンガポール、日本(16か国)

海外からのジャッジの参加国、地域:
アメリカ、オーストラリア、ベルギー、フランス、チェコ、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェイ、パナマ、ポーランド、スペイン、英国、韓国、台湾、中国(含む、香港)、
シンガポール、 ベトナム(18か国)


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